ペインターのノズル作り方覚書

CG技術・3D

 フォトショやらコミスタやら世の中にはいろんなペイント・レタッチソフトがありますが、painterが一歩ぬきんでていることがあります。
 それは「ノズル」。登録しておいた複数の画像を一本のストロークを引くだけで散布したり出来る機能です。paintshop proにも同じようなチューブと言う機能があるらしいですけど使ったこと無いのでよく分からないです…すみません。
 painterでは、ブラシで「イメージホース」というのを選んで、ノズル素材を指定して描くのですが例としてデフォルトで入っているノズル素材を使ってちょっと線を引いてみましょう。使ったブラシは「イメージホース」の「ライン-サイズ-P 角度-W」です。要はライン上に配列し、大きさは筆圧に依存し、角度はホイール動作(タブペンのエアブラシペン(あのごっついやつ)で使えます)に依存するということですね。

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 ラインだとこうですが、エアブラシみたいに散布することもできます。一本線を引くだけで、いろんな画像が出てくるのがお分かりいただけると思います。このノズル素材を任意に自分で作れると、とても描くのが楽になります。長年ペインターを使っててやっと最近もっとも簡単なノズルの作り方を覚えたので、自分の覚書も兼ねてちょっとメモしておきます。使っているのはPainterX。ネットにあるほかのノズル作り方サイトさんのやり方を見ながらやったのですが、何か途中で動作とかがおかしくなってかなり悩みながら作り方を試行錯誤したので。ちなみに廉価版のPainterEssencialで同様のことが出来るかどうかはソフトを持ってないのでちょっと分からないです。
 参考にしたのはかぶら屋本舗さんのブラシに絵を使うノズルを編集する絵風蔵 – efgra さんのPainterのイメージホース登録方法です。使った素材は書籍「photoshop ブラシ&スタイルコレクション」に収録されている「034 CG Feathers photoshop Brushes」。覚書ですがご覧になりたい方は「続きを読む」からどうぞ。
 次はパターンブラシを作ってみるぞー。

3/27追記:コミスタでもパターンブラシに複数の画像を登録することで同等のことが出来ることをやっと知りました。またそのうちやり方覚書します。

<下準備>今回はphotoshopブラシを利用してノズルを作ります。なので、前回のブラシ画像抽出のやり方を使ってあらかじめフォトショのブラシファイル.abrからブラシの画像データを.pngで取り出しておきます。
 さらにそれを.psdファイルに画像ソフトなどで変換しておきます。(painterで.pngファイルが使えないため)

<1>素材を並べる
 今回の場合1ブラシファイルから抽出された羽根の画像は11枚。この中から入用の画像だけをペインターの画面上に並べていきます。
 今回は1200*1600のキャンバスカラー白のところに、200*200でグリッドを表示し(上部メニュー「キャンバス」の「グリッド」→「グリッドオプション」で設定できます。グリッド表示非表示は「グリッド」→「グリッドの表示」。)
 変換した個々の.psdファイルを開き、全体を選択し羽根が乗っているレイヤーをコピーし、この並べる用のファイルにペーストしグリッド内に調整していきます。ペーストされるとひとつずつレイヤーができて行きますので、特にレイヤーを作ったりしなくていいです。
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<2>ノズル用のファイルに変換する
 全部並べ終わったら、全てのペーストで出来たレイヤーをグループに纏めます。ここでは後の作業の説明のためにちょっと色をそれぞれ黒からグレーに変換しました。で、要る所だけで切り抜いています。
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 このファイルを一旦任意の場所に任意の名前で保存します。(後々修正とかする時用に)
 で、これをノズル用のファイルに変換します。ツールパレットの一番右下にノズル素材選択欄があるのですが、そこをクリックして右端の三角から「グループから作成」を選択。
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 するとノズル用に再編集されたファイルが自動的に作成されるのですが…
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 なんだこれ(笑)

<3>整える
 ぶっちゃけこのファイルを適当な名前でRIFファイルに保存し、ノズルメニューから「ノズルを読み込み」で読み込めば普通に使えるのですがこれではサムネイルになった時に余りに見た目がよろしくない。ので以下の手順で整えます。
 ・上部メニュー「選択」より「再選択」
 すると、ノズルで使われるアルファチャンネルが表示されます。
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 どうもこのRIFファイル上で最終的に使った選択範囲がアルファチャンネルとして使われるらしい…ので、とりあえずこれの選択範囲を保存(上部メニュー「選択」から「選択範囲の保存」)します。
 ・で、要らない部分を消すために「選択」から「選択範囲の変換」をし、これでできるようになる「選択範囲の調整」から「拡大」で1ピクセルほど外側に拡大します。(エッジ避けのために念のため。場合によっては省略してよし)
 ・そして選択範囲を反転し、「編集」から「消去」。こんな感じになったと思います。ここで出ている黒っぽい縁取りは選択範囲のマーキーですので画像では反映されません。
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 ・保存しておいたもともとの選択範囲を読み出し、その状態で任意の名前・任意の場所で保存します。一旦このファイルを閉じます。

<4>ノズルを使う
 新規の画像を適当に一枚作り、ブラシでイメージホースを選び、ノズルメニューから「ノズルの読み込み」でさっき作ったノズル用ファイルを開くと、それで描画されるようになります。ノズルのライブラリに登録しておきたい場合は、ノズルメニューから「ライブラリに登録」をしておきましょう。
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 今回は単色のブラシファイルからノズルを作りましたが、普通の画像で作るときにはもう少し工夫が必要かもしれません。また、色についてはブラシプロパティの「粗さ」を調整することで変えることが出来ます。粗さを下げていくと、カラーパレットの2次カラー(二つ色が表示されるうちの後ろの側の色)がどんどん混じっていきます。

 と言うわけでこれがランクわけなどしない、最も簡単なノズルの作り方でした。
 羽根を今回は作りましたが、ノズルが威力を発揮するのは茂みや雲、葉など自然物を描くときだと思います。Expressionでもベクターベースでランダムに変化をつけたこのようなブラシを作る事はできますが、ポイントが同じ数でないといけないとか各要素で色の変化がつけられないとか結構制限が多いし、ビットマップベースではそもそも無理。painterのノズルの作り方を覚えれば、飛躍的に背景など描くのが楽になるだろうと思います。

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