イラスタ覚書:ブラシの向き検証

パターンブラシを作る際、この辺を把握しておかないとよく分からないことになるのが「ブラシの向き」です。イラスタではどうもブラシのモードやどういう要素に依存するかによって向きの概念が違うらしい。そこで今回は実際に描いて検証してみました。
現在(1.0.10)では、ブラシカーソルでブラシ先をプレビューすることができないので、向きについては実際のところ描いてみて想定と違うということが多々ありますので、このような検証をしてみた次第です。はやくカーソルプレビューがつけばいいのになー

大きい画像が多いので重いかと思いますがご覧になりたい方は続きから。

このブラシ先を仮に登録して検証してみます。

基本的には
・「向き」は0度の場合登録したそのままの向きになり、数値が増えるごとに真中を中心点として時計回りに回転していく。

ストロークを描いた場合画像の中心がそのうえに乗る(スプレーを除く。フォトショ等のようにジッター(ストロークに対するずれ)は設定できない)
・「厚み」の数値を減らした場合には登録した画像を横方向(この場合ハートが細くなる)に圧縮する(登録する際に検出する画像の中心から、厚み100%がその画像の比率になるように正方形のブラシ格納領域を重ねて作るらしい。なので作成時に用いた選択範囲が上のように細長くても、その選択範囲の幅が100%になるわけではない)
・「ブラシサイズ」は画像全体を縮小拡大する(作成時に用いた選択範囲はブラシに対する画像の大きさを決めるらしい。ここで選択範囲をもっと画像より大きくとると、ブラシ格納領域に対して画像が小さくなる)

のはずなんですが…では、外から中央に向けて螺旋を描いてみましょう。

 

1)スタンプモード

 1.向きが「変化無し」の場合

 基本と同じ変化をします。

0度

 

 2.向きが「ペンの向き」の場合

0度が以下のようになります。左に90度寝転んでいます。

 

 3.向きが「ペンの回転」の場合

 基本と同じ向きです。

 

 4.向きが「ストロークの方向」の場合

 今度は右に90度寝転びます。

0度

90度

180度

270度

厚みはどれも横方向に圧縮されます。

 

 

2)リボンモード

 1.向きが「変化無し」の場合

 画像の上をストロークの始端、下を終端側に向けて画像を連続します。スタンプモードの「向き=ストロークの方向」と逆にブラシ先が連続すると考えてください。
 スタンプとリボンの違いとしては、
 ・スタンプは画像を湾曲させないが、リボンは湾曲させる
 ・スタンプは間隔を調整できるが、リボンは強制的に連続させる(間隔が調整できない)
 ・画像同士の間隔が、スタンプモードが100%だと画像を格納した正方形を基準にするのに対し、リボンモードは画像を登録する時に用いた選択範囲を基準にするらしい
 ・厚みの方向すら変わってくる(後述)

 このためリボンモードで使うことを前提とした画像の登録では、かなりシビアにつなぎ目を意識しないといけません。普通に登録するとちょっと隙間が現れたりするのです。画像ギリギリで選択範囲を作らないといけません。

0度

90度

180度

270度

 厚みと方向との関係もかなり特殊。 どうやら進行方向に向かって横方向に圧縮がかかるらしい。

 

 2.向きがその他の設定の場合

向きが他の設定でも、特に変化はないようです。

向き=ランダム、0度

向き=ストロークの方向、0度

向き=ペンの向き、0度

向き=ペンの回転、0度

 

 

 

 

3)ペンモード

 ペンモードの場合、下のように独特な描画になります。向き、厚みの概念ともスタンプと同じらしいです

向き=変化無し、0度

 向き=ペンの向き、0度

向き=ペンの回転、0度

向き=ストロークの方向、0度

 

 

4)スプレーモード

これもスタンプモードと同じようです。

向き=変化無し、0度

向き=ペンの向き、0度

向き=ペンの回転、0度

向き=ストロークの方向、0度

向き=ストロークの方向、90度

向き=ストロークの方向、180度

向き=ストロークの方向、270度

 

まとめ:

リボンモードだけがかなり特殊らしい。

なお、ここで用いたストロークの方向ですが、当然逆方向に描くと結果が逆転してしまいますのでご注意。基本的に(リボンモード以外で)画像の上から下にストロークを連続して描きたい場合は180度、左から右に連続させたい場合は270度を選択すればいいかと。

向きが変化無し、ペンの回転の場合はリボン以外はやはりこの変化でOK。ペンの向き、ストロークの方向にした場合に、ここからさらに90度右回転してしまいます。

なお、イラスタで方向に沿ったストロークを作ろうと思うと(リボンモードおよび向きがストロークの方向として使うブラシを作る場合)、縦方向の連続および厚みが横方向の圧縮であるため、横転して(例えばレースを登録する場合、ひらひらが上下方向ではなく左右方向になるように)登録しないといけません。まあリボンの場合向きを調整したらその辺は何とかなるんですが、同じブラシ先をスタンプでも使う場合が考えられる場合は横転して登録しておくほうが無難。

また、厚みが横方向と言うのはかなりのネックです。例えば草原を作るために次のように、葉先が上に向いた画像で草原のブラシを作ってみてこれをスプレーで散布したのですが…

厚みを調整すると、草丈ではなくて草の細さが変わってしまうのです。これは気をつけないといけません(当然サイズを調整すると草のサイズ全体が変わってしまうので、草の細さも変わってしまいます)。リボンモード以外で画像を厚みで縦方向に圧縮したい場合は、横転して登録する、これを習慣付けたいものです。

 

そこで、ブラシ作成のテンプレになるものをちょいとつくってみました。

.xpr形式で置いときますので、もし使ってみたい方はダウンロードしてみてください。(ダウンロード数…[downloadcounter(brushpattern-templateA4-350dpi.xpg)]回)
次回はこれを使って、ブラシ作成の実践です(たぶん)。

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