Anime studio 8覚書~ドロー・塗りつぶし・スプリクト導入基礎

今回はAnimestudio8proの描画系に使うツールの覚書です。次はレイヤー・レンダリング等の覚書かな?

興味のある方は続きからどうぞ。

<ドロー系ツール解説>

ASで絵が描けるのは以下のツールだけです。ビットマップ系のラスターブラシ等はまだ実装されていませんので、下書き等が必要な場合は別途イメージレイヤーまたはメニュー>ファイル>読み込みで読み込むか、メニュー>表示>下書きイメージの選択でキャンバス上に読み込むことになります。

なお、ドロー系描画は基本的に時間0点でしか使えません(変形はタイムライン上で可能。また、初期設定で0点でなくても可能にするチェックはある)

・フリーハンドツール
以下の4つのオプションがあります。自動融合をチェックすると、終端やよそのドローイング線に近づくとマーカーが出て吸着してくれます。また交点で自動的にポイントが付与されます。これを一時的にOFFにするにはAltを押しながら描画です。

自動塗りつぶし・自動アウトラインにチェックを入れていると、シェイプのデフォルトスタイル設定に基づいて、自動的にシェイプを作成します。



・ポイント選択ツール
文字通りポイントを選択します。新規・削除は、シェイプとは別にポイントを纏めてグループ名をつけて呼び出せるようにするものです。投げ縄モードにチェックが入っていないと矩形選択モードになります。横の反転ボタンは、ポイントを左右上下反転させるためのものです。


・ポイント移動ツール
先のポイント選択ツールであらかじめ選択されたポイントを移動します。グループ名をつけたポイントだけ呼び出して移動することも出来ます。

・ポイントスケールツール
ポイント移動に同じです。なお、ツールオプションにある数値BOXの上でマウスホイールを動かすと数値の加減が出来ます。

あと、一部だけポイントを選択しているオブジェクトのポイントを全部選択する場合は、メニューの編集から、接続しているポイントを選択を実行します。

・ポイント回転ツール
ポイント移動・ポイントスケールに同じ。回転中心点をいじる必要があるときには、後述のスクリプトツールの方がいいです。


・ポイント追加ツール
クリック点にポイントを追加します。クリックのままドラッグするとそのまま移動できます。

既存の線上でクリックしない場合は、アウトラインを持たない点が出来、続けてクリックするとラインになります。その第二点以降が既存の線にかかると、自動融合にチェックを入れているならば既存の線上に出来て同一オブジェクトになります。


・シェイプ作成ツール
ツールオプションにある6種の図形を描くことが出来ます。


・テキストツール
テキストを描きます。日本語名のフォントだと画像のようにリストが文字化けしますが、日本語入力してもちゃんとキャンバスには出力できます。




・ばら撒きブラシツール
パーティクルレイヤーとは別に、単一レイヤー上にイラスタのパターンブラシスプレーモードのようにあらかじめ定められたベクター画像を散らします。

色揺らぎ・左右反転上下反転も設定できて何気に便利。イラスタでも出来ればなあ…ただしブラシ向きはランダムのみで、ストローク向きとかは不可能。

ばら撒くセットの選択肢。葉っぱを描いてみます。

セットは以下のパスに入っていて、普通のASの保存ファイルです。この場所に入れれば上のリストに現れてきます。中身を見てみると、

以下の4レイヤーで構成されたベクター画像になっています。この場合イラスタでいうところの要素4つのマルチブラシということです。

色揺らぎをきつめにして同じように描いたもの。

色んなばら撒きパターンで。


・エッジ削除ツール
クリックしたエッジ(シェイプになってなくても)を実際に消します。閉じていたオブジェクトにこれをすると当然開放になりますので、シェイプの塗りが消えます。「エッジをレンダリングで見えなくする」というツールも別途ありますので、適宜使い分けるといいです。


・曲率変化ツール
ポイントの曲率を変更します。この曲率も当然アニメーション要素です。後述のスクリプトツールでは曲率を数値指定できますので、そちらの方が便利。


・マグネットツール
ツールオプションにあるとおり。Altキーを押してドラッグすると影響範囲の円が拡大縮小します。

(この青線はステージ端ですので特に意味はないです)


・パースペクティブツール
説明のとおり。これはステージ上で3D回転するのではなく、奥のほうのポイントを動かしてそれらしく見せているものです。3Dでどういう状態かは、作業エリアツール群の2重矢印のアイコン、「軌道ツール」で確認できます。
なお、今までのものを含め廉価版のdebutでは使えないツールも多いですので詳しくはここのページの下の方の表で確認してください。


・ポイントせん断ツール
いわゆる歪みツール。


・ポイント歪みツール
説明のとおり。実際やってみればわかると思います。

うにょーん。



・ノイズツール
右へのドラッグ量に応じて、ポイントをランダム方向へ移動させます。



続いて塗りつぶしツール群。これらは前回やったシェイプとそのスタイルに関わってくるものです。

まず、適当な図形に適用されているシェイプを削除してまた設定してみましょう。

・シェイプ削除ツール

シェイプが削除されたことで塗りとアウトラインが消えて、ポリゴンラインのみになりました。

この状態にまたシェイプを設定するにはシェイプ作成ツールです。全部のポイントで設定してもいいのですが、投げ縄選択をすることで、シェイプにし塗りアウトラインを設定する範囲を限定することも出来ます。

この範囲だけ設定して見ます。シェイプ作成ボタンをクリックすると…

指定した範囲だけになりました。なお、上記ポリゴンライン上の閉じた範囲内をシェイプ作成ツールの右のペイント缶ツールでクリックしても同じように作成されます。




塗りと線の色を他のシェイプと同じにしたい場合はスポイトツールを使います。まずスポイトツールを選択し、コピー元のシェイプをクリックします。

次に、Altを押しながらスポイトツールでコピー先をクリックすると属性が貼り付けられます。

なお、シェイプを何も選んでいないときにはデフォルトのスタイルが割り当てられていますが、これが塗りが白でバックもごく薄いベージュと視認しづらいので元から設定を変えてしまいましょう。

メニュー>編集>初期設定で、カラー編集タブを開きます。

各カラーボックスをクリックするとダイアログが出ますので任意の色にします。

デフォのシェイプの塗りを肌色、背景を真っ白にしました。



ライン幅ツールで、線の太さを変えることが出来ます。数値指定可能で、アニメーション要素です。

もともと選択ポイントが無い場合でツールを使うと、ドラッグした位置から一番近いポイントのライン幅が変わります。

複数のポイントの幅を一気に変える場合はあらかじめ選択ツールでくくっておきます。





エッジを隠すツールは、先のエッジ削除とは違い、クリックしたエッジのみアウトラインを表示させなくするものです。


ストローク露出ツールはまたエッジを隠すとは別で、線の始端・終端それぞれから指定しただけの間のアウトラインを見えなくします。

この場合、一番右上のポイントが始端および終端なのですが、シェイプ全体をあらかじめ選択し、このツールを選択して左ドラッグすると、始端からどんどん線が消えていきます。

Altを押しながら同様に左ドラッグすると、逆に終端から消えていきます。
解放線ならどこから消えるかわかりやすいのですが、ASは閉じた図形の場合Expressionのように始端終端を指定する方法が無いので少し使いづらいです。


メニューにも線幅に関するものがあります。まずライン幅リセット。

↓強弱なしになります。


もうひとつ、ライン幅をランダム化。ランダム幅は指定できます。
メニューのドローにはこの画像にあるような機能もあります。シェイプは当然ですがレイヤー内で重なり順を持っていますので、それを変更したい場合このへんを使います。



ドロー系デフォルトツールの最後は曲線プロファイルツールです。これはあるラインに対して、他のラインの形状を入れ子のようにしてしまうものです。実際やってみましょう。


選択ツールであらかじめ、適用させたい側のラインを選択しておきます(この場合下の直線)

それでもって曲線プロファイルツールを選択し、繰り返し回数を設定し、適用元になる図形を選択すると…はいご覧のとおり!線の強弱は、適用前のものに準じるようです。これを応用することで、花やレース等ちょっとベクターで描くには面倒くさいものも楽に表現できると言うわけです。


適用したあともポイント移動等で変形できます。適用させた直線側をいじることも出来ますし、適用元をいじると、下のように全部いっぺんに変わります。簡易的なスケルタルストロークといえますね。ただしこれは閉じた図形を参照元には使えず、開放ラインしかダメです。

解除するには再びプロファイルツールで適用させたほうを同じくクリックすればOKです。しかしExpressionのようにポイント分解は出来ないんですね…うーん






<ユーザースクリプトのツールを使う>

ここまでのツールですが、結構「あらかじめ選択ツールでポイントを選択しておかないと使えない」と言うものが多くて、実際作業してるとちょっとイラッとするときがあります。そこでそういった弱点など補うために、ユーザーさんが改良したツールと言うものが配布されています。

ASはG13と同じくLUAスクリプトを採用しており、pro版ではそれをフォルダに入れることでさまざまな機能追加が出来るようになっています。ここで使うのは、fa_script_toolというスクリプトを有志の方が日本語に訳してくださったものです。

Anime Studio / Moho スレ
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/cg/1218184203/250

250 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/23(月) 19:16:50 ID:iLaYrYaD
>>248
そんなに手間でもないので、日本語化してみました。
http://suiseikobo.sakura.tv/work/fa_scripts_j1.zip

だいたい使い方わかりましたので、補足しますね。
ただ、MagnetのSpaceキーの動作が今一つ分かりませんでした。

Add point : ひとつ前のポイントから自動で引き出されるので、連続して描くときに便利。
Bind point : ボーンにポイントを強制的に割り当てるツール。標準ツールと違って、次々にポイントを追加するとき楽。
Create shape : 複雑な図形のとき標準ツールのようにアプリが固まらない。アウトラインのみの設定もできる。
Curvature : 曲率を数値設定できるので、厳密に調整したいとき便利。
Freehand : シャープ設定が追加された程度。
Magnet : ミラーリング機能によって左右対象物の調整に便利。
Paint bucket : どの領域が塗りつぶされるのかプレビュー付き。
Polygon : 多角形と星型を作成するツール。
Reparent bone : ボーンの親子設定を行うツール。複数ボーンを選択できる点が便利。またボーンの方向入れ替えができる。
Replace line : 選択ポイントをフリーハンドで引き直すツール。ライン幅の調整だけも可能。
Rotate points : ポイントとボーンを回転するツール。回転の中心を設定できる点が便利。
Scale points : ポイントとボーンをリサイズするツール。リサイズの中心を設定できる点が便利。
Select points : ポイントとボーンを選択するツール。次々にポイント選択する操作がやりやすい。ボーンを選択領域を使って選択できる。
Translate points : ポイントとボーンを移動するツール。マウスに近いポイントを移動する機能や、選択されていないボーンも移動できるので便利。

248 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/22(日) 13:25:07 ID:nOXs8Wtn
ttp://www.firkafilm.com/moho/index.html  にあるfa_script_tools.zipをちょっと調べたので
せっかくなのでカキコ。ドロー系のツールが他に比べて使いにくい場合はいいかも。

標準のツール類よりも機能が使いやすいと思われるのには「☆」。あくまで主観ですが。
「?」は効果がよくわからなかった物。「=」は標準のツールと同等と思われる物。

インスコ方法は解答して出てきたToolとUtilityフォルダの中身をASPのスクリプトのそれぞれ同名フォルダにコピー

☆ Add point : イラレやPhotoshop、SAIなんかのペンツールっぽい挙動になる。
? Bind point : いまいち良くわからなかった orz ポイントをボーンに関連つけるっぽい
= Create shape : シェイプ作成ツール
* Curvature : ポイントの曲率調整。ボタンで選択ポイント一括変換可能。標準と違ってマウスでは一つのポイントづつしか調整できない。
           標準のも使いやすいのでお好みで。
= Freehand : 標準ツールと同等と思われる。
☆ Magnet : 元と違って選択したポイントのみに有効。基準線を元に対照的に動かすミラー機能あり。基準線も調整可能。
= Paint bucket : 標準と同等。スタイルとの関連は調べていませんorz
☆ Polygon : 多角形と星型を描画できるツール。スクリプトで作成するより断然使い勝手が良い
= Reparent bone : 標準と同等のボーンの親子関係調整ツールと思われる。
? Replace line : 選択ポイントを描画した線にそろえるツール?イラレとかでこんなツールあった様な気がする。
☆ Rotate points : ポイントとボーンを回転できる。ただしそのレイヤーを選択している必要がある。標準と違って回転の中心を調整できる。
☆ Scale points : ポイントの拡大縮小ツールだが標準と違って変形の中心を調整可能。また変形中に任意のポイントだけ変形も可能。
= Select points : ポイントとボーンを選択可能。ボーンレイヤー以外のレイヤーでも見えてるボーンを選択できるけどできるだけ。
☆ Translate points : 空白部分を空クリックして選択解除出来るようになる。


上のZIPファイルを解凍すると、このようなフォルダと説明書ができます。

toolフォルダの中身はこうなっていて、追加されるツールをプログラムしたLUAスクリプト、それとそのツールで使用するアイコンです。

utilityフォルダの中のスクリプトは、ツールオプション部分を改良するのに用いるものです。

この二つのフォルダーを、下のパスに上書きします。


でもって、ツールを増やすにはもうひと手間。toolの中にある_tool_list.txtを開き、ツールボタンを増やす指示をします。

ここでは、上のtoolフォルダの中にある、fa_polygonというツールと、fa_replace_lineというツールを、ドローのツール群の中に増やしなさい、という指示をしています。要するに上の方から行を適当にコピーしてきて、Luaの名称を書き換えればいいだけです。GとかTとかありますが、これはショートカットの設定です。この場合、lm_select_points(AS側のデフォのポイント選択ツールの本体がこのLUAファイル)はショートカットGってことです。ショートカットを設定しない場合は…を指定しておきます。

ツールのほかにbuttonと言うのもありますが、これは通常の描画ツールではなく、例えばダイアログとか呼び出して特殊な処理をさせたりするメニュー的なツールです。例えばrl_split_curvesというのはまた別のスクリプトから追加しているものですが、これを押すとポイント間に新たにポイントが追加されます。あとで実際にやってみましょう。

fa_script_toolの大体の説明は上のスレ抜粋を見ていただくとして、独自に追加されている、デフォルトにはない重宝なのをひとつ見てみましょう。ライン置き換えツールです。

これは、ポイントを選択して新たに引きなおしたいところをなぞると、そこに線が置き換わるツールです。また、ライン幅だけ引きなおすことも出来ます。イラスタで言うところの、線つまみツール「なぞり」と、線幅修正ツール(なぞって編集にチェック)と言ったところでしょうか。

実際やってみます。ポイントを何も選択してない状態では、ポイント選択ツールになります。ぐりっと指定。

でもって、新しく引きなおしたい場所にラインを引くと、

ポイントがその場所に並びます。線の修正にとっても便利です。


あと、先に紹介したrl_split_curves。これは英語版のAS公式フォーラムで配布されているものです。

Anime Studio Forum :: View topic – …Split Curve as a Button! 😀 (A Little One…)
http://www.lostmarble.com/forum/viewtopic.php?t=14956
他にも、
そこのフォーラムのscriptトピックhttp://www.lostmarble.com/forum/viewforum.php?f=12や、
AnimeStudioScripts.comhttp://animestudioscripts.com/scripts.php等でいろいろ有用なスクリプトが配布されています。またおいおい多少紹介していくと思いますが。

で、そこの説明文を見ると
PS: Don’t forget to add it as a button! Pasting the following line…
Code:
button   rl_split_curves      …

とありますので、先の_tool_list.txtに、そのコードを追加します。別にこれをやらないでもスクリプトとアイコンがtoolフォルダに入ってればツール群には表れてくるのですが、コードを追加しないと特にbuttonはうまく動作しない場合が多いのです。

↑このポイントの数が、このボタンを押すと、

↓このように分割されます。


また、逆にポイントを減らすスクリプトもデフォルトで用意されています。メニュー>スクリプト>Drawから、Simplify Curveを選択してください。

ダイアログが出てきますので、それで減らす加減を調整します。AIやEPSを取り込んだ場合、またイメージからベクターへのトレースをした場合にポイントが多くなりすぎることがあるので、そういう時に使いましょう。


次はレイヤーツール群と、超簡単なアニメーションの基礎です。

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