クリスタ覚書:インク合成モード

CG技術・3D

クリスタは今まで「グラデーションマップがつくまで移行しねえ」と思ってたのですが、チョコチョコテストしてるうちに大分わかってきたことですし今回覚悟を決めて作画部分だけはある程度移行することにしました。つってもまだ集中線フィルタとか付いてないし吹き出しとかはコミスタのが楽だし(ランダムでゆらぎつけたり)模様トーン関係とかあっちのが貼りやすいので全部は無理と思いますけどね。てかなんで私の環境では素材関係登録とか呼び出すのこんな重いんだ…こないだTWではじめてクリスタで描きましたが途中一枚画像を登録するだけでフリーズしかけて泣きそうになったわ…自分が悪いけど保存あまりしてなかった時だから

 

移行を決めた主な要因はベクター線をパターン適用できることと、今回覚書きする「インクの合成モード」の豊富さです。インクのカテゴリで選択できるやつですね。なんといっても「背景」が便利。レイヤーの透明度保護にチェックを入れるとすでに描いてる所にしかかけなくなりますがこれはその逆で「すでに描いてるところはガードして透明部分だけに描く」というものです。ついでなので今回はインクの合成方法すべて試してみました。興味のある方は続きからどうぞ。

↓現在のワークスペース。よく使うアクションとかも登録しなおして大分快適。しかしパレットは相変わらずごちゃごちゃ…大分サブツールとか減らしたつもりなんですが

 

まずブラシ設定。インクの合成モードは描画系の全ツールで使えますが今回は筆で試してみます。従来イラスタで使ってた水彩用ブラシで試してみましょう。
水彩用ブラシは下地混色にチェックが入ってるとインクの合成モードが通常に固定されてしまいますので、仕方ないのでチェックを外します。ここから順次合成モードを変えながら試し書きしていきます。



ここに一筆合成モードを変えつつ描いていきます。描画する色はグレー40%。上がグレー50%、下がグレー25%。説明書きはクリスタマニュアルのツール設定ガイド(P13~14)より。

 

通常 通常先に描いた色に対して、あとから描いた色をそのまま重ねます。

比較(暗) 先に描いた色と、あとから描いた色を比較し、暗い方の色を採用して先に描いた色の 部分に合成します。

乗算 先に描いた色と、あとから描いた色を乗算合成します。合成後は、元の色より暗い色 になります。

焼き込みカラー 銀塩写真の「焼き込み」のような効果が得られます。先に描いた色を暗くし、コントラストを強くしたあとに、あとから描いた色を合成します。

焼き込み(リニア) 先に描いた色を暗くしたあとに、あとから描いた色を合成します。

焼き込み(黒) 描画した部分を暗くし、写真の露出不足のような効果を付けます。先に描いた色が透明の部分には、効果は適用されません。

減算 先に描いた色と、あとから描いた色を減算合成します。合成後は、元の色より暗い色 になります。

比較(明) 先に描いた色と、あとから描いた色を比較し、明るい方の色を採用して先に描いた色の部分と合成します。

スクリーン 先に描いた色を反転した状態で、あとから描いた色を乗算合成します。合成後は、元の色より明るい色になります。

覆い焼きカラー 銀塩写真の「覆い焼き」のように、先に描いた色を明るく、コントラストを弱くします。

覆い焼き(発光) 半透明部分に対して[ 覆い焼きカラー] よりも強い効果が得られます。

覆い焼き(白) 描画した部分を明るくし、写真の露出過多のような効果を付けます。

加算 先に描いた色と、あとから描いた色を加算合成します。合成後は、元の色より明るい 色になります。

加算(発光) 半透明部分に対して[ 加算] よりも強い効果が得られます。

オーバーレイ 重ねた色に応じて[ 乗算] と[ スクリーン] を判別して合成します。合成後は、明るい部分はより明るい色に、暗い部分はより暗い色になります。
注)この場合50と25のグレーに40グレーで描いていますが、25に対して40で暗くなるのではなく、下のソフトライトのように描画色が50%より明るい色か暗い色かで乗算にするかスクリーンにするかがわかれるようです。

ソフトライト 重ねた色の濃度に応じて、結果が異なります。濃度が50% のグレーより明るい色を 重ねた場合、覆い焼きしたときのように元の色より明るい色になります。 濃度が50% のグレーより暗い色を重ねた場合、焼き込みしたときのように暗い色になります。50% のグレーを重ねた場合はレイヤーを重ねる前の状態となります。 色の部分に重ねずに描画した場合は白になります。

ハードライト 重ねた色の濃度に応じて、結果が異なります。濃度が50% のグレーより明るい色を 重ねた場合、[ スクリーン] に近い状態で明るい色になります。 濃度が50% のグレーより暗い色を重ねた場合、[乗算] に近い状態で暗い色になり ます。50% のグレーを重ねた場合はレイヤーを重ねる前の状態となります。 色の部分に重ねずに描画した場合、濃度が50% のグレーより明るい色を選択すると白に、濃度が50% のグレーより暗い色を選択するとその色になります。

差の絶対値 先に描いた色と、あとから描いた色を減算し、その絶対値を採用して先に描いた色の部分と合成します。

消去 描画が消去されます。


注)↑用紙レイヤーOFF。

 

背景 先に描いた色の下に、あとに描いた色を描画します。あとに描いた色が、先に描画さ れたようになります。

透明度置換 描画した画像の不透明度が、[サブツール詳細] パレットの不透明度と同じになるように描画します。 先に描いた色に対して、[透明度置換] に設定した色を重ねて描画しても、描画した 部分の不透明度は、[サブツール詳細] パレットで設定した不透明度と同じになります。

注)↑インク透明度100%で描くとこうなります。しかしこの「透明度置換」「比較(濃度)」「比較(消去)」は色ではなくインク透明度によって結果が変わってくる合成モードです。
解説のために新たに描画色黒、上をインク透明度50、下をインク透明度30で描いた画像を用意しました。


こんなん。
 ↓そこにインク透明度40で描きます。他のモードだと透明度を100に近づけようとして結果より黒に近づくのですが…

結果としてはこうなります。とにかく描いた部分の透明度をそっくりインク透明度と同じにしてしまうのです。イラスタではペンツールと水彩ツールが描画色のA(アルファ)値を下げて描くとこういう挙動でした。クリスタでは1.2.3時点では描画色そのものにA値が設定できないのでちょっと不便です。しかしパターンを使ったりしたどのツールでもこの合成モードが使えるようになるのは個人的にはとてもありがたいことです。

比較( 濃度)  あとから描いた色の不透明度が、先に描いた色よりも大きい場合のみ、描画を行います。

注)↑不透明度を全部100%で描いた状態。100%でイコールだとボケ部分だけなくして描くみたい。
↓上「透明度置換」と同じく、インク不透明度50、30のとこに40で描画。50のところには書けず30と透明のところにのみ描画。


消去( 比較) あとから描いた色の不透明度を100 から引いた値が、先に描いた色の不透明度より も小さい場合のみ、描画を消去します。

注)↑全部透明度100の場合。↓透明度50、30のところに40で描画

あれ?なんもならない…ということは逆です(100-40=60なので50、30より数値が上なので適用されないってこと)。透明度60に変更して描画。

100-60=40で、50部分にのみ消去を行えました。うまいこと計算して使えば結構便利そうです。

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